「顔の歪み」 症状別対処例
20歳代女性(顔のゆがみ、むくみ、肩こり)
顎が歪んでいるのを治したいとのことで、ご来院されました。小顔になると言う、ある施術院で顔のみの、さらに痛みのある施術を受けたが、顎の歪みが治られないとのこと。診てみると、左右の骨盤のズレが大きく、脊柱の湾曲から、肩、背中の筋肉の硬縮や張りがかなり強い。また、左の首と顎の筋肉が硬く、頚椎に歪み、顎の関節にズレが見られました。
全身の筋肉を調整後、骨盤矯正を行い、肩、背中の筋肉の張りを緩め、頚椎を調整した後、顔の筋肉や特に顎の筋肉をオイルマッサージで時間をかけて改善する。最後に、頬骨、顎骨及び、頭骸骨全体を調整。施術後、肩こり、背中の張り、顎の歪みがかなり改善され、さらに鏡で確認されると、小顔にもなられたと喜んでおられました。
★まとめ
顔及び、顎の歪みやむくみの予防のためには、まずは肩こりや首の凝り、骨盤の歪みをしっかりと治しておくこと。そして、緊張して歯をかみ締めるような癖や、片側だけで噛んだりする癖を治す必要があります。また、顔が歪んでいるからと言って、顔の筋肉や骨だけが勝手に歪むものではないと、私は考えます。脊柱や骨盤のゆがみによって生じた、身体全体の筋肉の張りやアンバランスを治してから顔の調整に入ると、無理なく改善できますし、再びゆがみが戻ることも少なくなります。
顔のゆがみやむくみは、身体全体の歪みや張りと深く関係しています。余談ですが、歯軋りがひどいという方の肩こりを改善してあげると、歯軋りもされなくなったとお聞きします。また、よく寝違いを起こすと言われる方は、肩こりを改善してあげると、寝違いをおこされなくなります。人の身体というものは、すべてが密接に関連し合っていますので、症状が出ている部分のみにとらわれず、全体から改善することが何よりも大切だと私は考えています。
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「美容矯正」 症状別対処例
40歳代女性(猫背)
クラシックバレエを4年習っているが、背中が丸く、肩の位置が前にきているためか、先生に言われる正しい姿勢がどうしてもできない。
歪みをチェックさせて頂くと、胸椎の後湾が強く、肩の位置が前方にずれている、胸鎖骨関節が狭くなっている。 腰仙角が立ちすぎている。また、膝間が1センチの軽いO脚でもあられる。全身の筋肉をほぐした後、骨盤の調整、腰仙角の調整、胸鎖骨関節矯正、O脚矯正、頚椎の調整、肩関節の位置調整を行う。
施術後、姿勢がとても良くなられ、鏡で全身の姿勢を確認されて驚かれていました。膝の隙間もなくなりヒップ、ウエストもさらに引き締まっておられました。
★まとめ
クラシックバレエに限らず、社交ダンスやジャズダンスなどでも、丸背や猫背の方は、背中の筋肉の硬縮が強く、胸椎も後湾が強いため、良い姿勢をとろうとされてもできません。
そんなときは、背中の筋肉を緩め、胸鎖骨関節を無理なく拡げてあげると、自然に良い姿勢が保てるようになります。また、腰仙角が立ちすぎていると、猫背になりますので、それも調整する必要があります。クラシックバレエをされておられるため、ウェストやヒップは、もともとかなり引き締まった方でしたが、骨盤矯正施術を受けられてさらに良くなられました。
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「顎関節症」 症状別対処例
30歳代女性(顎関節症、頭痛、めまい、肩こり)
肩こりがとてもひどい、また、頭痛やめまいもよく起こる。さらに口を開けるときに左の顎が痛まれるとのこと。診てみると、肩、背中の筋肉の硬縮がかなり強い。また、左の首の筋肉が硬く、頚椎3,4,5番に軽いズレ、後頭骨と環椎間が狭窄している。
全身の筋肉を調整後、骨盤矯正、頚椎3、4、5番を軽めに調整、後頭骨と環椎間を開く。する。さらに顎の筋肉、首の筋肉をオイルマッサージで時間をかけて改善する。1回目の施術後、肩こり、顎の痛みの緩和。2回目に来院時に頭痛、めまいは出なくなられたが、また肩が凝られたとのこと。4回目終了後、肩こりも気にならなくなられ、顎の痛みもほぼ消失されたとのことでした。
★まとめ
この方は、長年のデスクワークにより、かなり背中、肩の筋肉が硬化しておられました。また、右の肩の筋肉が硬いため、それとバランスをとる形で、左の首の筋肉が硬化し、頚椎も左にズレが起きていたと思われます。
また、肩の張りが、後頭骨、環椎間を詰まらせていました。後頭骨と環椎間は、とても重要な神経の通り道で、ここが詰まると、頭痛やめまい、吐き気と言った症状が現れます。また、左の首の筋肉の硬化が、左の顎の筋肉及び関節に悪影響を及ぼし、痛みの原因となっていたと思われます。ちなみに、顎関節症と言うのは、単一の病気の名前ではなく、顎の関節や筋肉の痛み、口をあけにくい、額関節がじゃりじゃりという音がするなど、いろいろな病態の総称になります。
また、過去にも顎関節症の方がたくさんお見えになりました。中には、歯科医院でかみ合わせの治療を受けられたにも係わらず、治らないと言われた方もおられました。
私は、顎の関節の痛みや不具合は、その部分だけにとらわれず、背中や肩、首、骨盤など、身体全体から調整していって、最後に顎の筋肉と関節を調整するようにしております。
顎関節症の予防のためには、まず肩こりや首の凝りを治すこと。そして、緊張して歯をかみ締めるような癖を治すこと。片側だけで噛んだりする癖を治すことなどがあげられます。
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「美容矯正」 症状別対処例
20歳代女性(O脚、骨盤、猫背、むくみ)
骨盤の形と、O脚が気になられる。また、冷え性で、足のむくみがひどいということで来院される。まずO脚のひとつの目安としての、足のつま先とかかとを真っ直ぐにつけて立たれた状態で、両膝の間の隙間が、3.2センチあられました。また、骨盤が横広がりの状態になっておられ、軽い猫背でもあられます。全身の筋肉を調整後、胸鎖関節、脊柱、骨盤、股関節、膝関節を矯正しました。施術後、上記と同じく普通に立たれた状態で、膝の間の隙間は、1.5センチになられました。また、骨盤の横への拡がりが改善され、ヒップアップもされました。
さらに猫背が改善され、特に骨盤がスリムになったことに、「何でこんなに変わるのですか?!と、とても嬉しそうに驚いておられました。
★まとめ
この方は、お話によると、小学校から高校まで、バスケットボールをされておられたそうです。バスケットボールには、両足を横にふんばるように腰を落としての動きがとても多いとのことで、それで骨盤が横に拡がってしまったのでしょうかと言われておられました。
確かに、安定した強いパスやシュートを出すために、骨盤を拡げて、腰を落としたような動作を繰り返していると、そういうことは考えられますとお答えしました。
私は、骨盤を矯正するのに、新体操の選手やバレリーナの骨盤の形をイメージして行っています。新体操の選手や、バレリーナの骨盤の状態は、逆三角形に引き締まった理想的なプロポーションを作っています。
骨盤矯正と謳っているところは、とても多いのですが、中には、骨盤の左右の高さのズレしか治せないところもあるようです。それでは、引き締め効果は期待できません。
矯正後、横に拡がっていてヒップを大きくし、腰から骨が出ていた骨盤が、理想の逆三角形に近づくので、ウエストから腰、そして、ヒップが引き締まり、その変化に驚かれるのだと考えております。また、骨盤の歪みは、足のむくみや冷え性の原因にもなりますので、その改善にも効果があります。O脚の方は、昨日2回目の施術後、両足間の隙間が、0.8センチになられました。
もちろんこれは、膝に力をいれて無理につけようとしたような状態ではありませんし、普通につま先とかかとを、きちんとつけて立って頂いた状態のことです。
エステやダイエット、スポーツジム等で、シェイプアップされようとしても、もしも骨格が原因である場合は、理想のスタイルを手にすることは難しいと思います。そんなときは、一度、美容矯正(スタイル改善を目的とした整体施術)をされる、整体院にご相談されてみられては如何かと思います。また、整体師のポリシーとして、スタイルの改善とともに体調も改善してさしあげることは、当然の勤めであると思っております。
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「坐骨神経痛」 症状別対処例
30歳女性(妊娠8ヶ月目)
妊娠8ヶ月目の女性が、右の臀部の痛みで来院されました。
ここ2,3日、寝ているときも右の臀部が痛まれて、痛みが消えないとのこと。
妊娠中ですので、横向きに寝て頂き、臀部深層の梨状筋部(坐骨神経の出口)及びその付近、大腿部後面中央付近、膝裏、すねの前脛筋等、坐骨神経の経路を緩めました。
施術後、20分ほど経ったところで、一度起きて頂いて、痛みの確認をしました。
かなり楽になったけど、まだ痛みが深部に残っていますとのことで、さらに緩和を継続しました。その後、再び起きてチェックして頂いたら、痛みは完全に消失しました。
★まとめ
この方は、デスクワークのお仕事をされていて、以前も坐骨神経痛が出られたことがありましたので、何度か施術させて頂いたことがあります。
今回、妊娠により体重が増えられたことと、運動不足、長時間のデスクワーク等の悪条件が重なり、坐骨神経痛が再発されたと思われます。
妊娠中の方が来院されたときは、お腹に負担にならないように横向きに寝ていただいた状態や、仰向けの状態で施術をしております。
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「不眠」 症状別対処例
5歳男児(身体の張りが強い)
佐賀の女性の方から、脳性麻痺(四肢麻痺)のお子様の身体の張りが強いので体調を整えて頂けませんかと言うお電話をもらいました。
この場合、オステオパシーの頭骸仙骨療法が適していると思われましたので、来院時に、その理論と効果を簡単にご説明して、施術に入りました。頭骸骨調整は、非常にソフトな施術ですが、お母様がそばについて常にお子様に声をかけておられたので、お子様もあまり動かれずに施術することが出来ました。
その後、ご主人様もお願いしたいと言うことで、施術しましたが、ご主人様は、右腸骨にかなりのズレ、腰椎5番のズレ、頭骸骨の縫合の硬さ、張りがありましたので、筋肉と骨格を調整した後、頭骸骨調整を致しました。施術、腰痛の消失、重心が真ん中になったのと、頭痛や頭の重さがとれてすっきりされたとのお話でした。
後日、奥様より、お子様が以前のように朝まで熟睡されるようになられたと、お知らせ頂きました。
★まとめ
頭骸仙骨療法と言うのは、クラニオ・サクラル・セラピーとも呼ばれ、脳脊髄液の循環を改善することをメインとする非常にソフトな療法です。アメリカのオステオパシードクターである、ウィリアム・サザーランド博士が開発された治療法で、特に神経障害や不定愁訴などの症状の改善に効果があると言われております。
実際、私も、頭痛、めまい、吐き気、不定愁訴、メニエール、パーキンソン症候群等の来院患者様に過去施術を行って、その効果を見ておりますし、整体の生徒さんにお教えしてお互いに施術し合い、その効果をいつも感じております。
人間にとって非常に大切な、中枢神経の代謝機能の役割を担っている脳脊髄液の循環を整えることは、健康にもプラスになります。
頭が張ったような不快な感じが常にあられたり、不定愁訴のあられる方は、一度お近くの、クラニオ・サクラル・セラピーをされている治療院にご相談されるのも解決の方法になるかもしれないと思います。 |
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「肋間神経痛」 症状別対処例
20代男性(右胸に痛み)
2週間くらい前から右胸の下部に痛みが出て、病院に行って検査を受けるが異常が見つからないと言われる。痛みが消えないため、以前、頭痛と肩こりを治された当院のことを思いだされて来院されたとのこと。整体の検査の結果、右骨盤にズレ、胸椎の動きが硬く、周囲の筋肉が硬化、さらに胸鎖関節に歪みがみられる。
骨盤、背中の筋肉の緩和、胸椎、肋骨、胸鎖関節を調整、最後に右胸下部にリンパマッサージを行う。施術後、痛みは消失する。
★まとめ
胸部の骨から出る神経の、12対の前枝は肋間神経とよばれ、動脈、静脈とならんで各肋骨の下縁に洽って肋骨間の間を通っています。この肋間神経に何らかの原因で障害が生じたら、その関連する皮膚や筋肉に痛みが生じます。
これが、肋間神経痛と呼ばれている症状です。原因は、事故などの外傷によるもの、椎間板ヘルニア、ウイルス、脊髄の腫瘍、肋骨のズレ、背中の筋肉の硬縮など様々です。
この方の場合、お仕事がプログラマーと言うこともあり、長時間のデスクワークで、背中の筋肉が硬縮し、胸椎を歪め、さらに悪い姿勢が肋骨にまでズレをもたらしていました。
その後、お仕事中の姿勢の改善とストレッチなどで再発を予防されています。
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「膝の痛み」 症状別対処例
60代女性(左膝の前部と後部、ふくらはぎに痛み)
1ヶ月くらい前から、急に左ひざの前部に痛みが出てきて、そのうち治ると思っていたら、後部にも痛みが出てきた。最近では、ふくらはぎにまで痛みがある。
整体の検査をしてみると、右の骨盤が1,5センチほどズレている。膝関節の動きに異常はみられず。また、膝関節の変形はなく、軟骨の損傷したような痛みの反応もない。
左側臀部の坐骨神経の通り道を軽く押圧すると、痛がられる。
最初に予想した通り、膝関節そのものの痛みではなく、膝周囲を通っている坐骨神経に痛みが出ておられるようである。
全身の筋肉を調整した後、骨盤を矯正する。次に、左臀部の梨状筋をゆるめ、環眺というツボを押圧する。さらに膝関節周囲とふくらはぎの血行の改善を行う。
施術後、痛みは消失する
★まとめ
膝の痛みには、膝内症(主として半月板という、ひざのクッションの役目をしている軟骨の損傷)や、変形性膝関節症のように膝関節が変形し、関節が腫れて痛むものなどが主にありますが、この方の場合、膝そのものに異常はなく、坐骨神経を腰の部分で圧迫していたために、その通り道である、膝の部分に痛みが出ておられました。
実は、この方のように坐骨神経の痛みを、膝が悪いためにおきていると思われておられる方は少なくありません。
この方の例で言いますと、根本原因は、右の骨盤のズレが、左の腰椎に負担を賭け、腰椎間を通る坐骨神経を圧迫して、痛みが出ておられたのです。
膝の動きには問題がないのに、膝の周囲に痛みが出られる方は、坐骨神経痛も疑ってみられる必要があると思います。
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「頚椎ヘルニア、胸郭出口症候群」 症状別対処例
50代男性(二の腕と首に強い痛み、首が後ろに倒せない)
今年3月頃、右ひじに痛みが出る。ゴルフ肘だと思われて、5月に整形外科を受診されたら、頚椎ヘルニアだと診断され、筋弛緩剤と痛み止めの薬を出されて飲まれたが、症状は変わらず。次に違う整形外科に行かれて、首の牽引、マイクロ波、サンビーム等の治療を1ヶ月半受けられるがその間、症状はさらに悪化。医師からは胸郭出口症候群も併発していると言われたとのこと。
同時にペインクリニックにも行かれて、強力な痛み止めのブロック注射を受けられるが痛みが良くならないので、そのことを医師に伝えられたら、さらに注射の箇所を増やされたが良くならなかったとのこと。症状はさらに悪化して、首をほとんど後ろに倒せなくなられ、歩くのに右腕も伸ばせないほどひどい状態になられた。もしこのまま症状が改善されなければ、12月に手術をしましょうと言われたが、手術をしても痛みが消える保障はないと言われたので、9月の初めに私のホームページを見られて来院される。
触診したら、頚椎周り、背中、肩の筋肉がかなり硬化されておられる上に、少しでも首を動かすと痛みが走る状態なので、最初は筋肉をオイルリンパマッサージで緩める施術から始めました。また、骨盤のズレを矯正し、歪みにより生じていた脊柱の負担を減らしました。
来院されて数回は、目に見えた改善は見られませんでしたが、徐々に改善が見られ、1ヵ月後には、以前よりもかなり首が後ろに倒せるようになられ、腕の痛みもかなり改善されたとのことです。ようやく首周りの筋肉が緩んできて、痛みも改善されてきましたので、10月半ばからやっと、頚椎の矯正を少しずつ行えるようになりました。
★まとめ
この方のケースは、今までに来院された方の中でも最も重症な患者さんのお一人でした。うちでは、頚椎ヘルニアと診断されて来られた方でも、数回で改善されておられる方がおられますが、ご本人は、辛い症状を早く治そうと試行錯誤されて、いろいろな治療を試されているうちに悪化させてしまったのかもしれませんと言われておられました。
またある病院では、牽引をやりすぎると、「胸郭出口症候群」と呼ばれる症例になってしまうことがあるとお聞きされたそうで、その症状とヘルニアの症状が重なって、さらに痛みが強くなってしまわれたようでした。ただ私は最初、鎖骨と肋骨間に触診で問題が見られなかったので、痛みの原因は首の頚椎に起因するものだと考えておりました。
しかし、しばらくして首の右前に強いしこりがあるのに気付き、この部分が胸郭出口症候群の症状を起こしているのを見落としていたのに気付きました。この見落としは、私の失敗でした。もっと早く気付けば、改善ももっと早まっていたと思います。神経血管束は、鎖骨や肋骨、斜角筋などで形成される胸郭出口を通って腕に向かいますが、その際に神経や血管が圧迫されて上腕神経痛などの症状が出るのが胸郭出口症候群です。その部分を施術するようにしてから、改善が進みました。
10月22日現在、まだこの方は施術継続中ですが、同じような症状で苦しんでおられる方のご参考になればと、ご本人様とお話して症状別対処例としてとりあげました。
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「胸郭出口症候群」 症状別対処例
30代後半男性(二の腕に痛み、腰痛、坐骨神経痛)
持病の腰痛と坐骨神経痛が出たので、いきつけのカイロプラクティックに行こうとしたが、土曜で4時まででそちらの治療の受付が終了していたとのことで、5時頃に当院にお電話された後、来院される。
整体の検査の後、骨盤と腰椎、大臀筋、梨状筋の調整で痛みは消失する。治療途中で、二の腕にも痛みがあるんだけど、これは整体では治せないよねと尋ねられました。なんでも、病院で治療を受けても治らず、行きつけのカイロプラクティックでも治らないので、これは治らないと半ば諦めておられるとか。私は、上腕神経痛も、今までにたくさんの方を治してきていますので、治療してみましようとお答えしました。
整体の検査の結果、頚椎に問題はなかったので、頚椎ヘルニアや頚椎変位等による上腕神経痛ではないと判断しました。次に肩の筋肉を触診しましたが、ここにも特に問題はありませんでした。
次に仰向けになって頂いて、鎖骨、肋骨、斜角筋を触診したところ、斜角筋の硬化及び、鎖骨肋骨間の狭窄が見受けられました。
まず斜角筋を緩め、鎖骨と肋骨間を開き、胸鎖関節を調整しました。
すると、直後に腕を何度も動かされて、痛みが消えていると驚いたように言われました。それ以来、痛みは完治されています。
★まとめ
この方のケースは、整形外科で「胸郭出口症候群」と呼ばれる症例だと私は考えて治療しました。胸郭(鎖骨の真下辺り)には、心臓から腕に向かう太い血管や神経が束になって通っています。この神経血管束は、鎖骨や肋骨、斜角筋などで形成される胸郭出口を通って腕に向かいますが、その際に神経や血管が圧迫されて上腕神経痛などの症状が出るのが胸郭出口症候群です。この方は、数年前まで運送業のお仕事で荷物の積み下ろしを毎日されておられたそうです。
そのときに積み重なった疲労から起きた、鎖骨、肋骨、斜角筋の歪みや硬化が、数年後になって神経血管束を圧迫し、二の腕に神経痛として出られていたと考えられます。
胸郭出口症候群の一般的な症状としては、腕の痺れ、首や肩の痛み、指先の冷感や腫れなどがあります。なで肩の人や、美容師など腕を上げた状態で仕事をされる方によくみられる症例です。ですから特に、なで肩の方や、美容師の方などの腕を酷使されるお仕事の方は、胸郭の部分の筋肉のケアや、肩や胸鎖関節のストレッチなどを、予防のためにしておかれることをお奨めします。
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「上腕神経痛」症状別対処例
20歳代女性(首、肩、腕に強い痛みがある)
肩から二の腕、首が痛くてたまらず仕事も集中できない。最初、あるカイロプラクティック院に行かれて痛みが改善されないので、病院(整形外科)に行かれると、頸肩腕症候群だと診断されて、肩に注射をされたけれど、痛みはとれなかったので、また違うカイロプラクティック院に行かれたら、首の骨(頚椎)が後湾していると言われて首を強く廻されたり、鎖骨を痛いほど強く引っ張られたりして、さらに痛くなられたとのこと。
「頸肩腕症候群」と言うのは、肩の筋肉の硬化が上腕神経を刺激して神経が炎症を起こし、二の腕や肩に痛みが出ている症状だと私は考えておりますが、その方の首の付け根の肩の部分の筋肉は触診してもコリはみられず、柔らかいので、頸肩腕症候群になられているとは思えませんでした。しかし、右の頚椎の6番と7番の椎骨間が後湾し狭くなっておられ、その部分を触診して腫れも感じましたので、椎間板ヘルニアが右の上腕神経を刺激して炎症を起こし、二の腕、首、肩に痛みが出ているのではないかと思えました。まずは、頚椎部分の炎症を抑えるために、右の首のアイシング(冷やすこと)を10分ほど行ってから、首、肩、二の腕をソフトにほぐして、神経への血行を改善しました。さらにカウンターストレインという非常にソフトな矯正施術で、頚椎のズレを少しずつ治しました。それでどうにか痛みを緩和することが出来ました。その後、3回ほど来院されましたが、痛みは完全に消えられました。
★まとめ
その方は、病院で温められる治療を受けられたので、温めることが良いのだと思われて、家でもシャワーで温めておられたそうですが、急性期において患部を温めると、炎症が悪化することがありますと、お話しをすると驚いておられました。
また、強い痛みをだしているような状態はたいてい炎症を起こしていますので、そのようなときに患部を強くひねったり、強く揉んだり、無理にズレを治そうとすると、症状を悪化させることになります。
もし病院で、レントゲン検査等をされて、そちらの治療を受けられても痛みが改善されないときは医師にご相談されて、大きな病院でさらに詳しい検査を受けられてセカンドオピニオンを求められるか、カイロプラクティック院や整体院の施術を受けられるときは、詳しく症状をお伝えになられてから、そちらの先生の施術内容をよくご確認されたうえで受けられることがベストだと思います。急性期には、アイシングと安静で炎症の治まるのを待ち、時間をおいてから、歪みや筋肉の改善治療をしたほうが安全だと私は考えております。
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「生理痛」症状別対処例
★20代女性(腰痛、肩こり、生理痛、生理不順)
デスクワークのせいか、腰痛、肩こりで悩んでいるが、特に生理痛もひどいため、当院のホームページで、生理痛も整体で改善できるとお知りになられて来院される。
整体の検査の結果、仙骨、第4、第5腰椎周囲の筋肉の硬化と、椎骨のつまりが診られる。
また、肩の筋肉と背中の筋肉も硬化しておられる。
全身の筋肉調整後、仙骨、腰椎を調整、さらに足反射療法で、子宮の反射区を刺激する。
さらに肩、肩甲骨周囲の筋肉の緩和に時間をかける。
施術後、首、肩、腰が楽になったと言われる。
長期にわたるデスクワークのせいで、肩や腰がかなり硬化しているので、週1回ペースで1ヶ月少々通われておられたが、生理が始まってから、痛みが軽くなるというより、全く生理痛がないのに驚いたと言われました。
★まとめ
最初、生理痛も改善されると知って来たのですがと言われたので、施術後は、多くの方から生理痛が軽くなって、薬を飲まなくてもよくなりましたとか、生理不順がぴたりと治ったというご報告を聞きますというお話をしていて、貴女もきっと楽になられますのでご安心下さいとお話していました。
しかし、生理痛の軽減どころか、生理痛そのものがまったくなくなったので驚いたと言われたのには、私もかなり嬉しく感じました。
生理痛のひどい方の特徴として、骨盤がズレていて、骨盤内部にある臓器の子宮を圧迫していたり、腰椎や仙骨周りが硬化していたり、ズレていて坐骨神経に悪影響を及ぼしていると思われるケースが目立ちます。
腰痛や肩こりで来院される女性の患者さんから、整体の治療を受けたら、生理痛や生理不順が改善されたというお話をしばしお聞きするのは、嬉しいものです。
一人でも多くの女性が、身体の状態を整えることで、生理痛や生理不順と言った悩みから解放されることを願います。
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「頚椎ヘルニア」 症状別対処例
★40代後半女性(首から右肩、腕にかけて痛みがある)
首から右肩、腕へと痛みがあるので、病院でMRI検査を受けたところ、頚椎間の2箇所にヘルニアがみられると言われる。首の牽引、痛み止めの薬などの治療を受けるが、症状はひどくなるばかりで改善されない。お知り合いの方が、私のところで腰の椎間板ヘルニアが治ったとお聞きされて来院される。
整体の検査の結果、頚椎周りの筋肉が硬化、頚椎の彎曲も減少している。一回目、全身の筋肉調整後、頚椎周り、肩、上腕部をアロマオイルにて、入念にほぐす。さらに頚椎を調整。
一回目の施術後、痛みの症状が軽くなったと言われる。さらに二回目の施術後、三回目に来院されたときは、痛みがほぼ消失されたということであった。
ただし、施術後に痛みが一時的に出られて、その後改善されていかれたとのこと。
これは、好転反応と呼ばれるもので、事前にそのことに関しては説明をさせて頂いていたので、冷静に対処して頂けたようでした。
ある医学書によると神経が修復されるときには、痛みが起きると書かれてありましたので、それを原因の1つとして私は考えております。
結局、4回施術させて頂きました。椎間板ヘルニアの圧迫による神経の痛みは、消失するまでに通常2ヶ月程度掛かることが多いので、強い好転反応が出ると改善も早いと言われていることを実際に感じた症例でした。
★まとめ
この方は、ご主人様のお付き合いで、最近急にゴルフを始められ、お医者様からはゴルフが原因で頚椎ヘルニアになられたのでしょうと言われたそうです。そのお医者様も、ゴルフの練習で、頚椎ヘルニアになられた経験があられたそうでした。
確かにゴルフのスイングは、一方向に何度も身体を強く捻りますので、その度に首や腰の椎間板には大きな圧力が掛かっていると思います。何度も繰り返すうちに、椎間板に亀裂が入って、ヘルニアになるのも考えられます。
また、身体の筋肉が硬いと、スイングによる圧迫もより大きなものになります。
予防策としては、ゴルフの前後のストレッチを入念にすることや、筋肉トレーニングなどで、筋肉を鍛えておいて部分的な負担を全体でうまくカバーすること、練習場では一度にあまり打ちすぎないことなどがあげられます。
また、神経圧迫は長い期間放っておくと、神経が深く傷ついて痛みがとれなくなることがあると言われています。
この方の場合、痛みが出られてから来院されたのが比較的早かったことも、改善が早くできた理由の1つだと思われます。 |
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「坐骨神経痛」 症状別対処例
★20代後半男性(大腿部、足裏に痛みがある)
キックボクシングのジムに通っているが、左の大腿部と足裏に痛みが出てきた。2ヶ月間練習を休んでいるが、全く治らない。
整体の検査の結果、腰椎5番、右仙腸関節にズレがみられる。背中から腰にかけて筋肉が硬化している。一回目、全身の筋肉調整後、腰椎と骨盤を矯正、足反射区を刺激する。
施術後、症状は消失。しかし二回目に来られたときに症状が再発しておられた。
そこで二回目は、整体60分の希望であったが、整体30分と足反射療法30分のほうがこの場合は効果が大きいことをご説明し施術を行う。施術後、痛みの症状は消失し、さらに今回は、三回目に来られたときも全く再発がなかったとのこと。三回目の施術後、前屈をするとあった違和感もなくなる。しかし用心のため、あと1、2回来ますと言われて帰られました。
★まとめ
この方は、ミドルの左回し蹴りを練習しすぎたため、腰椎5番と骨盤にズレが生じてしまわれておりました。また、使いすぎた腰部の筋肉が硬化して、血液の循環も悪くなり、ズレにより圧迫された坐骨神経に結びついた毛細血管がうまく働かなくなり、症状にさらに悪影響を及ぼしていたと考えられます。
二回目の施術に足反射療法を使ったのは、腰椎や坐骨神経の反射区を刺激して、自然治癒力を高める目的もありましたが、前脛骨筋やふくらはぎなどの足の筋肉をオイルマッサージでほぐすことによって、腰の筋肉の血行も改善し、坐骨神経痛の再発が起こらないようにしました。
キックなどの蹴り技に限らず、足や膝を持ち上げる動作やサンドバックやミットを蹴るというのは腰の筋肉や椎間板に大きな負担がかかります。
ですから無理をすれば、腰痛や坐骨神経痛などの症状が出る可能性があります。予防策としては、ストレッチやウォーミングアップ、クールダウンを充分に行うことは言うまでもありませんが、体力に応じた休養日をとることや、専門のスポーツマッサージを受けたり、整体で筋肉や骨格のバランスをとるなどのケアも大切です。 |
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「脊椎分離症」 症状別対処例
★40代男性(腰痛、坐骨神経痛がある)
3日前から、腰痛と坐骨神経痛が出ている。特に右の下肢痛がひどい。
以前、整形外科でレントゲン検査をして、腰椎分離症(脊椎分離症)と診断され、しばらく通院した。また、赴任先の評判の良いカイロや整体にいくつか通って、今までしのいできた。福岡には仕事でしばらく滞在していて、3日前から症状が悪くなったのでホームページを見て来院される。
整体の検査の結果、右仙腸関節にズレ、腰椎周りの筋肉が硬縮、腰椎間が狭い。
全身を筋肉調整後、骨盤矯正、腰椎を調整、腰椎の足反射区を刺激する。
また、大腰筋を調整し、腹圧を改善する。
施術後、坐骨神経痛がなくなったこと、腰が楽になったことを喜んで話される。
★まとめ
最初、腰椎分離症で坐骨神経痛があるとお聞きして、腰椎すべり症ではないかと疑いました。腰椎を調べてもすべり症に進行しているようではなかったのと、幸い、一度で症状がかなり改善されたことから判断して、すべりがもしあったとしても、程度が軽く、痛みの原因は筋肉の硬化の方にあったと思いました。
あと何回か治療して、骨盤を安定させ、筋肉を改善すれば、再発もしなくなると考えたのですが、お仕事もかなりお忙しそうで、1度お見えになってからは来られてません。再発防止の為の体操などや注意点などを伝えていますので、それでうまくやって頂いたらと思います。
実際は、分離症からすべり症に進行するのは1割程度だと言われていますが、もしすべり症になってしまうと大変です。
脊椎分離症の方は、すべり症の予防の為にも、腹筋の衰えと体重の増加に特に注意して頂きたいと思います。 |
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健やか整体院 |
福岡県福岡市博多区博多駅東2丁目18-28
ジェントリー博多606号(JR博多駅より徒歩7分)
TEL. 090-7155-3692(日祭日休診)
※営業関係のお電話はどうかご遠慮下さいませ。
申し訳ございませんが、現在都合によりメールによる問い合わせは出来なくなっております。
近日中に再開しますので、もう少々お待ち下さい。
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